村上春樹さんの短編集「東京奇譚集」に収録されている「ハナレイ・ベイ」が実写映画になっていたようです。
つい先日知ってすぐに観ました。
2018年の作品。
映画「ハナレイ・ベイ」の感想と解説を書きます。

原作にかなり忠実な映画でした。映画は映像があるのでまた違った楽しみ方ができます。カウアイ島美しい。
映画「ハナレイ・ベイ」は面白い?つまらない?
映画「ハナレイ・ベイ」は面白いか、つまらないかで言うと、面白い映画だと思います。
面白い、というよりは非常に良い作品。
人は誰もがいつか死ぬ。自分なりに人生にどう折り合いをつけていくのか、そんなことを考えさせられる作品でした。
映画「ハナレイ・ベイ」の簡単なあらすじ
主人公はシングルマザー(おそらく30代後半から40代くらい)。仕事はピアノ演奏。
ハワイのカウアイ島にサーフィンをしに行った19歳の息子が、サメに襲われて溺死する。
息子が亡くなった後、毎年3週間ほどカウアイ島に行き、ビーチで椅子に座って時間を過ごすようになる。
息子が亡くなって10年後、息子と年齢が近いサーファー2人と出会い、妙な話を聞く。
「サーフィンをしていると、おばさん(主人公)が座っている場所から少し離れた場所に、片足の日本人サーファーが立っている。岸に戻るといなくなる。」
その話を聞いて息子の幽霊(?)を探す、そんな感じの映画。
夫も数年前に亡くなっていて、天涯孤独に(親などの家族がいるかどうかは不明)。その圧倒的な孤独さに、見ていて本当に悲しくなりました。
主人公役は吉田羊さん。もうこの人しかないってくらい、個人的にはイメージとピッタリの配役でした。
映画「ハナレイ・ベイ」原作の小説と、映画の違いについて
映画を見ていて「息子とこんなに仲悪かったっけ?」「夫はこんなダメな人だったっけ?」と疑問が出てきました。細かい部分まで記憶になかったので、改めて原作の小説を読んで確認してみましたが、映画「ハナレイ・ベイ」は原作の小説をほぼ再現していました。
ちょっとだけ違う点を挙げるとすれば、映画では、日本人の2人の青年が主人公にスケートボードに乗ってもらって、サーフィン体験をさせてあげるシーンがありました。

ブルーシートの上をスケートボードで滑る主人公。友人たちがブルーシートを波のように包み込んでサーフィンをしているかのように演出していました。このシーン素晴らしい。
もちろん細かい部分の違いは他にもありますが、ほぼ原作に忠実かなと思います。
映画「ハナレイ・ベイ」で個人的に気に入ったシーン
カウアイ空港の近くにあるレンタカー屋さんの受話器が可愛い。

息子の遺体確認をしたとても優しい警官

息子が泊まっていた安宿で働く2人のサーファー。サーファー仲間でもあった。

主人公の自宅のカーテンが揺れるシーン。なんてことはないけれど寂しいシーンでした。

主人公が息子と年齢が近いサーファーにアドバイス↓
女の子とうまくやる方法は3つしかない
1.相手の話を黙って聞く 2.着ている洋服を褒める 3.できるだけ美味しいものを食べさせる
それだけやってダメなら諦めた方がいい
ハナレイ・ベイ
村上春樹さんの作品は孤独
村上春樹さんの小説は、読んでいると本当に一人ぼっちになるような感覚になります。
どの作品もどこか空虚で孤独。
だからなのか、読んでいる最中、もしくは読んだ後に、自分自身と向き合ってしまう。自分の人生について考えさせられる。
映画「ハナレイ・ベイ」は、夫も息子もいなくなって、会いたいけど会えない、主人公のそんな悲しい気持ちがずっしりと伝わってくる作品でした。
いきなり宇宙に一人飛ばされて孤独になるような、そんな気分になったなあ。
村上春樹さんが原作の映画は他にもあって、僕が観た映画で言うと「トニー滝谷」という作品があります。この作品も短編の一つを映画にしていて、原作にかなり忠実な作品になっています。映画の方が小説よりも雰囲気が出ている気がします。
「トニー滝谷」も孤独な話ですが、ものすごくおすすめの作品です。
2005年の作品。


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